労働衛生コンサルタントとは

労働衛生コンサルタントは、厚生労働大臣に認められた「労働衛生のスペシャリスト(士業)」です。「労働安全衛生法」という法律に基づき、働く人の命と健康を守るための「最高峰の国家資格(産業医の上位資格)」として位置づけられています。職場環境改善や従業員の健康管理についてアドバイスを行い、職業病の未然防止労働者の健康増進を図ります。労働衛生コンサルタントは企業に雇われの身である産業医とは異なり、外部の独立した立場から企業を診断・指導するのが特徴です。

労働衛生コンサルタントは労働安全衛生法第86条により、業務上知り得た事業場や労働者の秘密を漏らしたり盗用してはならないという法的守秘義務を負っています。

<労働安全衛生法第86条>
1. コンサルタントは、コンサルタントの信用を傷つけ、又はコンサルタント全体の不名誉となるような行為をしてはならない。
2. コンサルタントは、その業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。コンサルタントでなくなった後においても、同様とする。

また、第86条の秘密保持義務に違反した場合、法律上の罰則が科されることも労働安全衛生法第117条に定義されています。

<労働安全衛生法第117条>
第86条第2項の規定に違反したときは、当該違反行為をした者は、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処する。

これら企業や労働者が守られるべき情報をしっかりと守り、外部の独立した立場の強みを活かして働く人の命と健康を守ること労働衛生コンサルタントの使命となります。

労働衛生コンサルタントの専門領域

労働衛生コンサルタントは、一般社団法人 日本労働安全衛生コンサルタント会に所属しています。その専門領域は、労働によってヒトの健康に影響を及ぼすおそれのある全ての事象となります。例えば、近年の深刻な気候変動に対しては、暑さ指数(WBGT)を用いた細やかな作業管理水分・塩分補給体制の整備など、命に直結する熱中症予防対策を指導します。

また、特定化学物質有機溶剤石綿(アスベスト)などの有害物質による健康障害を、リスクアセスメントを通じて未然に防ぐことも重要な使命です。長年の蓄積が原因となる粉じんによるじん肺等の職業病に対しても、発生源の抑制防じんマスクの徹底した管理によって対策を講じます。さらに、電離放射線騒音、振動といった物理的因子への対策から、現代的な課題であるVDT作業による眼精疲労重量物の取扱いによる腰痛予防対策まで、人間工学に基づいた専門的アドバイスを行います。これらに加え、ストレスチェックの活用を含むメンタルヘルス対策など、心身両面から「健康経営」を支える専門家です。

他の資格にはない強み

労働衛生コンサルタントは、単なるアドバイザーではなく、労働安全衛生法に基づいて厚生労働大臣が認めた「職場の診断医」であり、「労働環境改善の技術者」です。他の資格者が「書類」や「制度」を整えるのに対し、労働衛生コンサルタントは労働安全衛生法第81条に基づき「現場を自身の目で診断」し、「実効性のある解決策を指導」できる点に唯一無二の強みがあります。

<労働安全衛生法第81条>
2. 労働衛生コンサルタントは、労働衛生コンサルタントの名称を用いて、他人の求めに応じ報酬を得て、労働者の衛生の水準の向上を図るため、事業場の衛生についての診断及びこれに基づく指導を行なうことを業とする。

法的な守秘義務を負い、外部の独立した立場で診断を行うため、社内の人間関係や忖度に左右されません経営者に対しては「法的なリスク」を、現場に対しては「実務的な改善」を、中立な立場から進言することで組織を動かす力が大きいのが強みと言えます。

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